公務員は株式投資していいの?副業規定を解説


① 結論:公務員でも株式投資はできます

最初にはっきり言います。

公務員でも株式投資はできます。

「公務員は副業禁止だから、投資もダメなんじゃないか」——私もかつてそう思っていました。でも、法律を一つひとつ確認していくと、株式投資は規制の対象外であることがわかりました。

この記事では、実際に法律の条文を調べた私が、その根拠をできるだけかみ砕いて説明します。


② 法律上の根拠

公務員の副業を制限しているのは、主に国家公務員法です。関係する条文は2つあります。

国家公務員法 第103条(私企業からの隔離)

営利企業の役員や従業員になることは、原則として禁止されています。

つまり、「どこかの会社に雇われる」「会社の役員に就任する」といった行為はNGということです。

国家公務員法 第104条(他の事業又は事務の関与制限)

報酬を得て、何らかの事業や事務に関わる場合は、任命権者の許可が必要です。

「お金をもらって副業する」場合には、事前に許可を取らないといけない、ということですね。


③ なぜ制限されているのか

法律が副業を制限している理由は、大きく3つあります。

職務専念義務 公務員は、勤務時間中は職務に専念する義務があります。副業で疲弊して、本業がおろそかになることを防ぐためです。

信用維持(公務の中立性・公平性) 公務員は、国民全体への奉仕者です。特定の企業や団体と深い関係を持つことで、公務の中立性が損なわれてはいけません。

利害関係の排除 自分が関わる企業から利益を得るような構造は、癒着や利益誘導につながりかねません。それを防ぐための規定です。


④ 裁判所書記官の場合

私が勤務する裁判所の職員は、裁判所職員臨時措置法という法律を通じて、国家公務員法が準用されています。

難しく聞こえますが、要するに「裁判所の職員も、行政職の国家公務員と同じルールが適用される」ということです。

条文の構造は同じなので、この記事の内容はそのまま当てはまります。


⑤ では株式投資はなぜOKなのか

ここが核心です。株式投資が規制されない理由を、条文に照らして整理します。

  • 営利企業の役員・従業員ではない → 第103条に抵触しない
  • 報酬を得て事業に関与するわけでもない → 第104条に抵触しない
  • 個人の資産運用は規制対象外 → 法律が想定している「副業」には該当しない

株式の売買や配当の受け取りは、「企業に雇われること」でも「報酬を得て働くこと」でもありません。自分のお金をどう運用するかは、個人の自由な領域です。

法律を調べれば調べるほど、「これはOKだ」という確信が深まりました。


⑥ 注意点

ただし、何でもOKというわけではありません。2点だけ注意が必要です。

インサイダー取引は厳禁

職務上、特定の企業に関する未公開情報を知り得る立場にある場合、その情報をもとに株式売買を行うことはインサイダー取引として厳しく禁じられています。刑事罰の対象にもなります。

職務に支障が出るほどの過度な取引はNG

株式投資自体は問題ありませんが、勤務時間中にトレードに熱中するなど、職務専念義務に反する行為はアウトです。投資はあくまで、本業に支障のない範囲で行いましょう。


⑦ まとめ+次の記事へ

改めて整理します。

  • 公務員の副業規制は「企業に雇われること」「報酬を得て働くこと」を対象にしている
  • 株式投資は個人の資産運用であり、規制対象外
  • ただしインサイダー取引と、職務専念義務への違反はNG

法律の壁を感じて投資をためらっていた方に、少しでも安心してもらえたなら嬉しいです。

「OKだとわかった。でも、何から始めればいいの?」

その答えは、次の記事で解説します。まずは証券口座を開くこと——それが投資の第一歩です。