投資で変わったお金の使い方——物欲が消えた理由
投資を始めてから、物欲が確実に減りました。高校・大学時代の「満足度の低い買い物」を振り返りながら、お金の使い方が変わった理由を正直に書きます。
— 物ではなく、体験にお金を使うようになった話 —
① 足先に鉄が入ったブーツを履いていた頃
高校生のとき、こんなものを買いました。
- リーバイス 501XX
- ジージャン
- 足先に鉄が入った、重くて歩きにくいブーツ
- チノパン・軍パン
大学生になってからは——
- Gショック・スウォッチ
- カシミヤのコート
- タケオキクチのスーツ
今振り返ると、どれも満足度は低かったです。
足先に鉄の入ったブーツは、重いし歩きにくい。でも当時は「かっこいいから」という理由だけで買いました。何度か履いて、気づいたら押し入れの奥へ。
「欲しい」と「本当に必要」は、まったく別物でした。若い頃はその区別がつかなかった。
② 投資を始めたら、物欲が消えた
投資を始めてから、はっきりと物欲が減りました。
理由は単純で、お金を使う前に考えるようになったからです。
「このお金、投資に回したらどうなるだろう」
最初はこの問いが煩わしく感じることもありました。でもいつの間にか、「本当に欲しいもの」と「なんとなく欲しいもの」を自然と区別できるようになっていました。
「なんとなく欲しい」への答えは、ほとんどの場合「別に要らない」になります。
③ 価格と価値は違う
お金の使い方が変わる中で、気づいたことがあります。
価格と価値は、まったく別のものだということです。
| 価格 | 価値 |
|---|---|
| 商品についている数字 | 自分がそれを使うことで得られる満足・効用 |
| 客観的に決まっている | 人によって・タイミングによって変わる |
| 変えられない | 自分の判断次第 |
高校・大学時代の買い物は、価格を価値と混同していました。「高いから良いもの」「ブランドだから満足できるはず」という思い込みで買っていた。
実際に使ってみると、価値はそれほど高くなかった——そういう体験を何度も繰り返しました。
④ リセール意識が変わった
投資を続けていると、「この買い物、将来どうなるか」という視点が自然と身につきます。
| 買い物の種類 | 時間が経つと |
|---|---|
| 多くの消費財(服・家電など) | 価値が下がる・使わなくなる |
| 体験・食事・思い出 | 記憶として残る |
| 投資(株・ファンドなど) | 長期では成長する可能性がある |
別に、物を買うことが悪いわけではありません。ただ、「買ったあとにどうなるか」を意識するようになると、衝動買いが自然と減ります。
足先に鉄の入ったブーツは、リセール価値もゼロに近かったし、何より使わなかった。
⑤ 「価値を考えすぎる」リスクもある
ただ、正直なことも書いておきます。
お金の使い方を考えすぎると、何も楽しめなくなるリスクがあります。
「これに使う価値があるか」「投資に回すべきでは」と考えすぎると、日常の小さな楽しみまで失ってしまいます。
| 考えすぎた結果 | 起きること |
|---|---|
| 外食を我慢しすぎる | 生活の楽しみが減る |
| 趣味にお金を使えない | ストレスが溜まる |
| 「いつか使おう」が続く | 結局何も楽しめない |
お金は使うためにあります。投資も、豊かに生きるための手段のひとつです。
「使わないこと」が目的になると、何かがズレてきます。
⑥ 今の1万円の使い方
今の私が1万円を使うとしたら、ほぼ迷わず食事に使います。
ちょっと高価なレストランに行く。1人でもいいし、家族や友人と一緒でも。
| 昔の1万円の使い方 | 今の1万円の使い方 |
|---|---|
| 満足度の低い服を買う | 少し奮発した食事に行く |
| 使わないものを衝動買いする | 家族との時間を豊かにする |
| モノを手に入れて終わり | 体験・記憶として残る |
物を持つより、サービスを受けることに価値を感じるようになりました。
食事は消えてなくなりますが、その場の会話・雰囲気・誰かと過ごした時間は、記憶として残ります。
⑦ 物欲が消えた本当の理由
振り返ると、物欲が消えたのは「投資で心が豊かになったから」というきれいな話ではありません。
もっと現実的な理由だと思っています。
お金の動きを意識するようになったから、優先順位が自然とついてきた。
投資を続けるためには、毎月ある程度のお金を確保する必要があります。その制約の中で何に使うかを考えるうちに、「本当に欲しいもの」だけが残るようになりました。
ブーツも、コートも、時計も——あの頃は「欲しい気がする」ものに使っていました。今は「本当に使う」「誰かと楽しむ」ものにしか、あまりお金が動かなくなっています。
⑧ 物ではなく、体験にお金を使う
今の私のお金の使い方を一言で表すなら、
「物ではなく、体験に使う」
です。
消費財は時間が経てば価値が下がります。体験は記憶として残り続けます。
これは「物を買うな」という話ではありません。本当に欲しいものは、迷わず買えばいい。ただ、「なんとなく欲しい」と「本当に欲しい」の区別がつくようになると、お金の使い方は自然と変わってきます。
足先に鉄の入ったブーツを買っていたあの頃の自分は、それはそれで良い経験でした。あの失敗があるから、今の判断がある。
ただ、もし過去に戻れるなら——そのお金で、誰かとおいしいものを食べに行くと思います。
物欲が消えると、逆に「本当に欲しいもの」が見えてきます。それは思っているより、たくさんは要らないものでした。